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ノート 1975年~1979年 アイドルとキラキラダンス
  /Idols and Glittering Dance

 1975年の映画『ジョーズ』は、スピルバーグ監督の大ヒット作だが、冒頭の有名なシーンでは、屋外キャンプでドラッグをやって、酒飲んで、素っ裸で海で泳ぐ女性がサメに食われてしまう。
 今になって考えると何か象徴的な描写だったようにも思える。やりたいことやるだけの人間は、サメに喰われて死んじまえといったような・・・。本能的願望では理解できるが、人間は社会的な動物なので本能に任せきりになると逆に生きづらくなってくる。
 でヒッピー文化に限界を感じた人々が次に求めたのが、新しい価値観を持ったアイドルでありエネルギッシュなダンスだったのではと考えるのは穿ち過ぎだろうか。


オリビア・ニュートン=ジョン
Olivia Newton-John - Jolene 1976

 オリビア・ニュートン=ジョンは、オーストラリア出身の歌手。『そよ風の誘惑』等のヒット曲がある。当時、アイドル全盛時代の日本でも結構人気があったが、1978年のイルカ事件がなければもっと人気も続いていたんじゃないかと思う。


リンダ・ロンシュタット ブルーバイユー
Linda Ronstadt - "Blue Bayou" (Official Music Video)

 同じ頃、アメリカでは大人気なのに日本では不思議と売れなかったのがリンダ・ロンシュタット。この曲は、確かNHKの英会話番組の最後に流されていた。番組の担当講師が「Bayouはアラバマ州の湾外地域のことですが、『バイユー』と発音せずに『バアユ』と歌うのですからリンダは凄いですね」と妙な褒め方をしていた。


ベイ・シティ・ローラーズ 二人だけのデート
I only wanna be with you-Bay City Rollers 1976

 当時、中学生だった友人の妹がギターのイアン・ミッチェルが可愛いと言っていた。彼らがイギリス出身だったため、一部マスコミは『ビートルズの再来』と騒ぎ立てたが、正直、男子高校生だった自分には大した興味は沸かず、むしろ脇役だったドラムのデレック・ロングミュアーの厳つい笑顔が印象に残っている。でも音楽はノリの良いものだった。「サタデー・ナイト」「バイ・バイ・ベイビー」等他にもヒット曲がたくさんある。いまだに現役のグループだ。


デビッド・ボウイ リトル・ドラマー・ボーイ
Bing Crosby, David Bowie - The Little Drummer Boy / Peace On Earth  1977

 デビッド・ボウイは、”偶像崇拝”と言う「アイドル」の言葉本来の意味からすると、一番ぴったりの人物ではないだろうか。1980年頃、デビッド・ボウイが京都に住んでいるという噂があって、友達と岡崎周辺を探した記憶がある。結局、家は見つからなかったが、噂は真実だったらしい。直接会った人は綺麗な外人さんに驚いたそうだ。デビッド・ボウイと言えば「Let's dance」等のヒット曲があるが、正直、曲調が馴染めなかった。そんな頃、ラジオから流れたこの曲がずっと印象に残っていた。一度聞いただけだが、凛々しく響く「ラパ・パンパン」の歌詞が忘れられなかった。この記事を書くに当たって曲名を調べたところ、1941年にアメリカで作曲されたクリスマス・ソングをアレンジしたものだった。お相手の男性は、往年の名優・歌手のビング・クロスビーで、クリスマスソングの定番『ホワイトクリスマス』の歌手としても有名だ。


ブロンディ 
Blondie - Heart Of Glass (Official Music Video) 1979

 『ブロンディ』は1974年、ボーカルのデボラ・ハリーとクリス・シュタインが中心となって結成されたアメリカのロックバンド。ロック界のアイドルと言えばデボラ・ハリーになると思う。この曲のヒットで人気バンドとなったが、デボラのキュートでセクシーなビジュアルも注目された。1990年には『コールミー』が大ヒットした。1982年メンバーのシュタインの病気のためいったん解散したが、1997年に再結成された。2006年には、ロックの殿堂入りした。


ヴァン・マッコイ ハッスル
VAN McCOY - the hustle 1975

 1975年発表のこの曲は、ディスコ時代を象徴する名曲。作曲者のヴァン・マッコイは、吹奏楽をやっていた人ならお馴染みの『アフリカン・シンフォニー』の作曲でも有名だが、1979年、39歳の若さで亡くなっている。


スタイリスティックス 愛こそすべて
the stylistics - can't give you anything but my love 1975

スタイリスティックスはアメリカのブラックミュージックのグループ。メンバーを変えながら現在も活動している。ディスコ・ブームに乗ってこの曲はヒットした。曲も良いが、時代を反映しているのか歌詞が素晴らしい。
『もしお金持ちだったら、女王様のようなドレスを買ってあげるけど、僕は普通の男でポケットは空っぽだ。でも死ぬまで君のものになる。僕が与えられるのは君への愛だけ。』
 40年ぐらい前は、こんな話を真顔で言えた時代があったことを思い出した。
 少し前に、こんなセリフを言おうものなら、きっと誰にも相手にされなかっただろうけど、コロナの後では、こう言わざるおえない人や、受け入れざるおえない人がきっと沢山増えるのじゃないかと思っている。


ビージーズ ステインアライブ
Bee Gees - Stayin Alive (Extended Remaster) 1978

映画『サタデー・ナイト・フィーバー』は、ディスコダンスをテーマにした青春群像映画でジョン・トラボルタのデビュー作。踊りが上手いだけの俳優だと思っていたが、その後の活躍は御存じの通り。ミュージカルではないが『ウエストサイド物語』を意識した作りになっているように思える。
 音楽は映画『小さな恋のメロディー』で大ヒットを飛ばしたビージーズが担当し、この『ステインアライブ』だけでなく、『愛はきらめきの中に』もヒットして映画を盛り上げた。


アバ ダンシングクイーン
Abba - Dancing Queen 1976

スウェーデン出身の男女4人グループ。現役時代二組の夫婦として活躍したが、その後離婚した。『恋のウォータールー』、『ママ・ミア』、『テイク・ア・チャンス』、『ダンシング・クイーン』等ヒット曲を連発し世界を席巻した。


アース・ウィンド・アンド・ファイアー セプテンバー
Earth, Wind & Fire - September (Official Video) 1978

アース・ウィンド・アンド・ファイアーは、アメリカのファンク系バンド。この曲の他にも、『ブギー・ワンダーランド』『宇宙のファンタジー』等がヒットした。




 アイドルやダンス系とは別に『ニューエイジ』と呼ばれる自然派志向の音楽も流行した。ギターやピアノなどアコースティックな楽器を中心にした静かな心休まる音楽だ。自分はいまだに好きである。


アール・クルー ハート・ストリング
Earl Klugh / Heart String

アメリカ・ミシガン州デトロイト出身のジャズ・フュージョン界のギタリスト。フュージョンは、ジャズを基調として、ロックやラテン音楽を融合させた音楽ジャンル。ウィンダム・ヒル・レコードに所属。70年代後半から80年代にかけて流行した。天気予報などテレビ番組のBGMとしてよく放送されていた。


ジョージ・ウィンストン Colors
George Winston / Colors

ニューエイジ(癒し系音楽ヒーリング・ミュージック)を代表する彼は、アメリカミシガン州生まれでモンタナ州育ちのピアニスト・作曲家。"Longing/Love" (あこがれ/愛)が最もよく知られており、トヨタ・クレスタのCM曲でも有名。
 CDの音楽でしか彼を知らなかったため、楽曲のイメージから、ちびまる子の花輪君や、巨人の星の花形満、現実の人間では、リチャード・クレイダーマンがさらに男前になったような人物を想像していた。が、この動画を見て驚いた。こんな無骨な感じの人だったとは・・・いや本当に驚いた。



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