写真は楽し!カメラ遍歴     by Tetsutaro




 父が写真好きだったお陰で、小学生の頃からカメラに親しんでいた。いっこうに上達しないが、カメラとは50年以上の永い付き合いになる。大半のカメラは残しているので、たまに棚から出して眺めると時代を感じて面白い。
 先にお断りしておくがライカやローライフレックスなどの高級機は一切登場しない。いたって庶民的で実用的な機器ばかりである。自分で買った分については、なるべく安くて性能が良いものを選んでいるつもりだったが失敗も度々あった。そんなカメラたちをご紹介。


フィルムカメラ(銀塩カメラ)の時代

1. Mamiya16  *フィルムカメラ

・発売年月 1949年 ・購入・使用年月 1950年-1960年頃

 F3.5の固定焦点で、シャッタースピードは、B(バルブ), 1/25, 1/50, 1/100秒の4種類。1949年(昭和24年)の発売で、太平洋戦争の終戦からまだ4年しかたっていない頃だ。
 このmamiya16、同じ名前でいくつかのバージョンが存在するが、これは初期型のものではないかと思われる。



 自分が生まれる前からあったカメラで、おそらく一番最初に手にしたのがこのカメラだと思う。当時の発売価格は3,380円だそうで、消費者物価は7、8倍になっているので、現在の価値で言うと25,000円位か。現在のコンデジの相場と大体同じ程度に思える。



 フィルムの装填も簡単で、カートリッジ式のフィルムをカメラにセットするだけだった。本体から前後2つの金属枠を引き出してファインダーにする。フィルム送りは、ギザギザが付いた丸いダイヤルを回す。



 ずっしりとして手にひんやりとした感触の金属製の筐体は、子供ながらに大好きだった。いまだに小さなカメラが好きなのは、このMamiyaのお陰だ。このカメラでどんな写真を撮ったのか記憶がないが、いじって遊ぶだけでも楽しかった。



 若き日の父。よく喧嘩もし必ずしも仲が良かったとは言えなかったが、こと趣味に関して父の影響大だった。Mamiya16で撮ったかどうかわからないが年代は合う。



 終戦後、親戚が経営する自動車修理店に勤めていた。まるで『ALWAYS 三丁目の夕日』の世界ですね。

 ※もっと古い戦前の写真もありましたが、別にまとめました。   祖母が遺した写真



2. minolta A3 *フィルムカメラ

・発売年月 1959年8月 ・購入・使用年月 1959年-1980年頃


 ミノルタ製のフルマニュアル操作の35mmフィルムカメラである。多分、両親が結婚時に買ったものだと思う。
 長年に渡って我が家のメインカメラとして活躍した。父親が8mmカメラに凝るようになったため、家族でお出かけの時は私が撮影担当として使うことが多かった。当時小学生の私にはレンズ周りの数字が何のことかさっぱりわからなかった。それでも単焦点45mm F2.8のレンズなので、フルマニュアルとはいうものの、ピントを合わせてシャッターを押すだけで、それなりに写すことができた。



 今では考えられないが、このカメラは電池を一切使わない。これは凄いことだ。レンズを通った一瞬の光とカメラに装填されたフィルムが化学変化を起こして映像として記録される。Wow!
 一枚写すごとに、巻き上げレバーを起こしてフィルムを送り、フィルムを全て撮り終えるとカメラ上部の巻き戻しクランクを回してクルクルとフィルムを巻き戻していたのが懐かしい。もっともフィルムカメラを知らない人は何のことだかわからないかもしれないが・・・。
 ただデジカメと違い、フィルム代、現像代、プリント代などはそれなりにかかる。



 若き日の哲太郎とその家族。後ろに見える玄岳ドライブインは、玄岳山頂と熱海サボテン公園とを結ぶロープウエイの終点駅で、とても眺めの良い処だったそうだ。わずか3年で営業停止し今は廃墟となっている。




3. FUJICA Single-8 Z2  *フィルムカメラ

・発売年月 1966年10月 ・購入・使用年月 1968年-1974年頃

 『フジカシングル エーイト』の歌と共に、当時よくCMが流れていた8mmフィルムカメラ。これを買ってから夜毎に映写会が自宅で開かれていたことを思い出す。ほとんど父親が使用しており、あまり自分で撮影した記憶はないが、1970年の万国博覧会を写したフィルムだけは見たいと思っている。


(参考写真)太陽の塔

 万博では、太陽の塔や斬新なパビリオンはもちろん、アポロ11号が前年の月面着陸から持ち帰った『月の石』は長蛇の列ができるほど大人気だった。若い頃のジュディ・オングさんが真っ白な毛皮を着て見物する姿も写っていた。初めてみる女優さんに驚いた記憶が残っている。映写機を引張りだしてきて映せば良いんだけど、長年の劣化でテープが切れたりすると嫌だし、一寸めんどくさいかなあ。



4. minolta POCKET AUTOPAK 270  *フィルムカメラ

・発売年月 1977年 ・購入・使用年月 1977年-1984年




 親が車を買った時に景品にもらったカメラで、初めて自分専用になったカメラだ。
 ポケットカメラと呼ばれフィルムサイズ16mmの「110フィルム」と呼ばれたカセット式のフィルムを使っていた。装填も簡単だったし、本体もプラスチックが多用されて軽かったため気楽に使用できた。自分が高校生頃から社会人初期まで使っていたと思う。もっともフィルムカメラなので、シャッターを押しまくるということはなかったが・・・。



5. Ricoh FF3AF Super  *フィルムカメラ

・発売年月 1984年4月 ・購入・使用年月 1984年頃

 TSUBAKIが持っていたカメラ。今では禁句となったがいわゆる「バカチョンカメラ」で、フィルムが自動送り、巻き戻しされるオートマチックのフィルムカメラだった。結婚後はよく使っていた。
 フィルムを撮り終えると、キュイーンと音を立てながら自動的にフィルムが巻き戻された。初めて見た時はびっくりした。
 A3より操作が簡単で、普段持ち歩くのはこちらが多くなった。



(番外). FUJIFILM  写ルンです  *フィルムカメラ



・発売年月 1986年7月 ・購入・使用年月 1986年頃-

 富士フイルムが販売したレンズ付きフィルム。当時は誰もが一度は使ったことがあるのではないだろうか。  
 カメラ好きだった自分でも、カメラを持っていない時、観光地のお土産屋さんで買って使ったことがある。『使い捨てカメラ』と呼ばれていたが、実際はケースは回収され再利用されていた。写真をさらに身近にした、よく考えられた商品だった。生産は縮小されたが2020年現在でも『写ルンです シンプルエース』が発売されている。



6. Canon EOS1000QD  *フィルムカメラ

・発売年月 1990年10月 ・購入・使用年月 1990年-1995年頃



 初めて自分で買った一眼レフカメラ。家族を持ち、年齢も30代となって生活が落ち着き始めた頃、もう少し良いカメラが欲しくなった。

(参考写真)α7000

 これより数年前の1985年、初のオートフォーカス一眼ミノルタα7000が発売されカメラ業界はひっくり返っていた。AE(自動露出)はそれ以前からあったが、シャッターを半押しするだけで、ピント合わせまでカメラがやってくれるようになったのだ。


(参考写真)©1980 MINOLTA X7

 余談だが『今の君はピカピカに光って~』の曲と共に有名になった宮崎美子のTV-CMは、α7000のものだとずっと思いこんでいたが、調べてみるとそれより5年前の『ミノルタX-7』のものだった。



 閑話休題。ミノルタの一人勝ち状態が長く続いていたが、キャノンがそれに対抗すべく登場させたのがEOSシリーズで、このEOS1000QDは、小型ながらフルスペックの機能を備え、レンズセットで69,000円とリーズナブルな価格で大ヒットした。後にEOS Kissの原型になったといわれている。
 実際良いカメラだったが付属のEF35-80mm F4-5.6ズームレンズの写りの切れ味というか解像度がいまいちに思えて、28mmや50mmの単焦点レンズや100-300mm等のズームレンズを買い足して撮影していた。



7. Sony Handycam CCD-TR55  *フィルムビデオカメラ

・発売年月 1989年 ・購入・使用年月 1990年

 会社の上司が新型を買って余ったものを貰った8mmビデオ。当時、「パスポートサイズ ハンディカム55」と、テレビでもよく宣伝していた。当時、VHSとベータの規格争いが長年続いたため、小型携帯型のビデオについては規格の統一が図られ、その後に生まれた製品だった。
 この頃は一眼レフを使い始めたばかりで、まだビデオに関心が薄かったせいか、あまり使っていない。
 とは言え子供の運動会や学芸会の撮影にビデオが定番になり始めたのもこの頃だ。三脚を誇らしげに2台も立ててビデオと一眼で撮影していたのは覚えている。今思えば迷惑な話だったと思う。
 今の感覚では巨大なサイズに思えるが、当時としては画期的な小ささだった。そもそもこれ以前の初期のビデオは、カメラ部と本体録画部が分離していて、カメラ部こそ小さかったが、本体は肩からベルトで持ち運ぶようなものもあった。たかだか30年ほど前の話だが、今のGoProのように小さくてきれいに映る機材になるなど考えられなかった。



8. Canon EOS10  *フィルムカメラ


・発売年月 1990年3月 ・購入・使用年月 1991年~



 EOS1000を買って一眼レフの面白さを知ったが、色々物足りなさを感じ始めたのと、TUBAKIもカメラを使い始めたため、1年待たずに2台目の購入になった。子供が小さかったこともあり、被写体に困ることはなく実に楽しい写真ライフを送るようになった。
 但し、夫婦それぞれで撮影となるとフィルム代、現像代、プリント代などランニングコストは1回あたり数千円、ポジフィルムで撮影してスライドにして映写したりもしてたので、月単位で数万円と半端なくお金がかかった。でも当時はバブル末期で世間全体が金銭的に浮かれていて、自分たちも多少浮かれていて平気で使っていた。ダメですよね。



 とは言っても、子供は可愛かったし、ワンレンボディコンの綺麗なおねえさんが沢山いたし、飲食店は派手なインテリアも多く、半分に切ったアメ車を天井からつるしている店もあった。それに仕事の割には給料やボーナスは結構出たし・・・、バカ高い値段で不動産を買ったり、変な儲け話に乗っていない人にとってはバブルの頃は楽しいことも多かった。
 この頃、マンション等の不動産価格が日毎に値上がりしたり、数千万円もするゴルフ会員権やヘリコプターやボートをリースする話など、今では考えにくい話があふれていた。世界中のお金が日本に流れ込み、銀行はじめ多くの金融機関が市中にばら撒く様にお金の使い道を模索していたのだ。

 閑話休題、このEOS10は使いやすさもあってデジタルカメラに移行するまで、ずっと使っていた。



9. Canon EOS1  *フィルムカメラ

・発売年月 1989年9月 ・購入・使用年月 1991年



 EOSシリーズ最初のフラッグシップ機。シャッターを切る時の小気味よさが気持ちよく、ファインダーの映りや手にした時の重厚感・剛性感は申し分なかった。これにEF50mm F1.8やEF28mm F2.8の単焦点レンズを付けて家族のポートレートを撮ったりしていた。この頃はズームよりも単焦点レンズを買い足すことが多かった。安いレンズだが写りが良かった。もっとも今デジカメで撮影して、モニターで見ると50mmは良いが、28mmの方はイマイチに思える。それでも当時は良いと思っていた。サービス版サイズのプリントがほとんどだったしね。



 一度フィルム装填で失敗してシャッター幕を傷つけたことがあって、
「高級機は一般用と違って大事に使ってもらわないと困ります。」とエラそうにカメラ屋に言われて腹を立てたことがある。それ以来、カメラ自体が重いこともあってだんだん使わないようになり、デジタルの気配がし始めた2000年頃に、使わなくなったレンズと共に売り払ってしまった。
 若い時にEOS1を購入したお陰で、以後のカメラ所有ではカメラの値段に無駄なプライドを持つ必要がなくなったことに今でも感謝している。ただキャノン製品のヒエラルキー構造と言うか、嗜好をあおって上位機種を買わせようという見え透いた意図に、この頃、嫌悪感を持ち始めたのも事実である。とはいうものの営業方針が気に入らないだけで、キャノンの製品自体は優秀なものが多いと思うので今でも色々使っている。
 結局、フィルムカメラを買うのはこれが最後になった。



10. Canon Autoboy2  *フィルムカメラ

・発売年月 1983年 ・購入・使用年月 1995年頃


 一眼レフを欲しがっていた弟に、余っていたEOS1000と交換したカメラ。もしかすると、1回も使ってないかもしれない。素直にEOS1000をあげればよかった。



※フィルムカメラの終焉

コンタックスカメラ(参考写真)

 話は変わるが1990年当時、スポーツ関連以外の商業系プロカメラマンたちの間では、『コンタックス』が大流行していた。自分はプロではないので理由は定かではないが、丈夫なボディと豊富なレンズで良い写真が撮れたそうだ。
 コンタックスは今でも有名なドイツのカールツァイスと日本のヤシカが協同して復活したブランドだったが、京セラの傘下に入り、2005年に京セラがカメラ事業から撤退したため事実上消滅した。フィルムカメラの終焉と共にまたひとつ有名ブランドが消えてしまった。(ヤシカとふたつかな?)残念な話だ。
 消滅と言えば、コダカラーで有名だったイーストマン・コダック社も2012年に一度倒産して、規模を縮小して2013年に再上場した。
 また70年代まで人気があったフィルムのサクラカラーも1987年に名称をコニカカラーに変更したが、2006年に撤退した。街中にあった写真プリント店も次第に姿を消していった。フィルムからデジタルへの移行がいかに大きな社会的変化だったかを物語る。
 1991年から1993年にかけては、バブル崩壊の時期となった。高騰した土地価格を抑えるために、政府は「総量規制」を行い、融資額の縮小を図った。景気は後退し、証券会社や銀行の倒産が起こった。後に『失われた10年』と呼ばれた日本の長期的不況の中で、カメラのデジタル化は進んでいった。

 ※余談2
 フィルムカメラの事を昔は『銀塩カメラ』なんて言い方はしていなかった。もしかすると写真業界内部ではそう呼んでいたのかもしれないが、少なくとも一般ユーザーは『銀塩』なんて言葉は使ってない。正直言って気持ちの悪い言葉だ。『銀塩』自体は、感光材として使われるハロゲン化銀等の事を指すと思われるが、何でそれを『フィルムカメラ』全体を表す言葉にする必要があったのか甚だ疑問である。まさか写真乾板も含めたかったからなんて言い出す人がいたのだろうか。はたまた新語を作りたかった雑誌編集者が言い出したのか?
 想像するにいまだに『チェキ』などのインスタントカメラが相当数売れているらしいので、フィルムだか印画紙だか判りにくい構造のカメラを、言葉上『フィルムカメラ』として過去のものにされたくない富士フイルムがゴテたのではないかと勝手に想像している。詳しい事情をご存じの方がいらっしゃれば教えてください。




デジタル時代の幕開け  *以下はすべてデジタルカメラ

11. CASIO QV10A

・発売年月 1996年3月 ・購入・使用年月 1997年頃

 デジタル時代の幕開けと言っても、パソコン等の製品は1970年代後半から発売されており、音楽のCD化も80年代前半なので、カメラは20年近く遅れていた。
 上の写真のカメラは初めて民生用に発売されたデジカメ「QV-10」の後継機。当時仕事で、マルチメディアと呼ばれるパソコン用のコンテンツを作成することが多かった。画像の取り込みにはスキャナーを使っていたので、いったんプリントした写真を用意する必要があり面倒だった。そのためデータ作成に利用できないかと購入したのがこのカメラ。何とスーパーで山積みされていて、2万円前後の値段で売られていたように思う。
 今のように外部メモリーカードなどは普及していなかったので、本体内蔵のメモリーに記録し、専用ケーブルでパソコンとつないで画像データを転送していた。
 画質は今のレベルで言えば、正直ダメだったように思う。残念ながらデータが残っていないので確認できないが、後で紹介するLV20より悪かったと思う。結局、仕事で使った記憶はほとんどない。



12. CASIO LV20

・発売年月 2001年10月 ・購入・使用年月 2001年



 仕事で出張中にカメラが必要になり、通りすがりの電気屋さんで1万円前後で買ったカメラ。33.3万画素(有効30.7万画素)の1/3インチCMOSを搭載していた。乾電池2本で動作し、640×480ドットの画像が約60枚保存可能。



 ただQV10Aよりはましだったが、トイカメラっぽい画質でお世辞にも良いとは言えなかった。急場しのぎになったが、正直継続して使う気にはなれず、この機種以降、カシオのデジカメは買わなくなってしまった。
 腕時計のプロトレックやGショック、電子ピアノのセルビアーノに電卓は今も愛用してますけどね。
 カシオは民生用デジカメのパイオニアだったが、2017年デジカメ事業から撤退した。ソニーに身売りしたコニカミノルタと言い、このカシオと言い、技術だけでは地位を維持することがいかに難しいかを教えてくれる。



13. Canon PowerShot A10

・発売年月 2001年 6月 ・購入・使用年月 2001年9月



 PowerShot Aシリーズは、キャノンが発売した初心者向けの安価なデジカメシリーズ。自己所有したデジカメで初めて画質が普通にきれいと思えたカメラだった。132万画素1/2.7型CCDと画素数こそ少ないもののセンサーサイズは今のコンパクトデジカメと変わらない。電源はアルカリ乾電池を4本使用していた。自分は充電できるニッケル水素電池を使っていたが、早く電池切れになるのが欠点だった。
 予備の電池を持っていても、1日の撮影枚数が40~50枚とフィルムの頃とあまり変わらなかった。



 子供も中学生以上になり、親との行動が減っていたので、被写体を何にするかが課題だったが、寺社巡りにハマり出し、週1,2回は撮影に出かけるようになった。
 この頃すでに、フジフィルムのFinepixシリーズやソニーのサイバーショットシリーズなど、コンパクトデジカメの製品が発売されていたが、値段の安さとメーカーへの信頼度からこれを選んだ。
 ただ撮影結果には満足していたが、フレームを決めてシャッターを押すだけだったので、カメラとしては昔のバカチョンカメラの延長ように思えてしまった。
 とは言え、現像に出さずに家のパソコンで綺麗な写真が簡単に見られることは画期的だった。その後、何台かPowerShotシリーズを買い足すことになった。



14. Lumix DMC-FZ10

・発売年月 2003年10月 ・購入・使用年月 2005年 1月



 Lumixはパナソニックのデジカメブランド。FZシリーズは、全域F2.8の明るいライカレンズを搭載。35~420mmの広角から超望遠ズームで、手振れ補正機能もついていた。今でいう高倍率ズームデジカメのはしりだったと思う。



 パープルフリンジが出やすいなど画質的に問題もあったが、MFが使えたり撮って楽しいカメラだった。何で選んだのか憶えていないが、多分雑誌などの評価が高かったからではないかと思う。
 ※パープルフリンジ: 明るい背景と暗い被写体などの境界に紫色の変な色が写ってしまうこと

 前のPowerShotと違い電池もちが良くなり、1回の撮影で2~300枚撮影できた。これは素晴らしいことだった。35mmフィルムに換算すれば10本前後に相当する。これをプリントすれば恐らく数千円以上かかるだろう。それに撮ってすぐに背面のモニターはもちろん、家のパソコンで綺麗に見える。画素数も最大で2304×1728画素あったので、当時のパソコンモニターが17インチで1024 × 768程度だったので、倍以上の解像度だった。だから全画面表示で見ても綺麗に見える。デジカメってなんて素晴らしいのだろう、驚きと共に喜びに奮えた。
 もっとも操作全般で昔の一眼レフを思い出させる割には、電子ファインダーの見え方等、物足りないところが色々出てきてしまった。
 ともかくこのカメラのお陰で、くすぶっていたカメラ魂にすっかり火がともってしまったのだ。



15. PENTAX *istDs

・発売年月 2003年10月 ・購入・使用年月 2005年8月



 FZ10で、すっかりカメラ熱が上がってしまい、デジタルの一眼レフが欲しいと思った。 キャノン以外で良いのはないかと調べたところ、ファインダーの見え方の大きさ、適度なボディサイズ等ペンタックスが面白そうだったので、istDsを購入した。レンズはFZのズームが便利だったためシグマの18-200mmにした。レンズはこれ1本で使い続けるつもりだった。ジーコ、ジーコともっさりと動くレンズに、はじめは抵抗があったが、ピントはマニュアルで合わせると割と簡単に合焦できることに気づき楽しさが増した。「PENTAX」のロゴも新鮮で、持ち歩くのが楽しかった。そして心の中でつぶやいた。(ペンタックス、ペンタックス・・・、ズームだよ、ズームだよ・・・)



 結果的に自分の中では、歴代ベスト3に入る撮って楽しいレンズ・カメラセットになった。そう思えたのは、操作の面白さだけでなく、画質の良さが大きかった。今の基準からすれば、とても小さな画素数だけれど、コントラストのつき方が艶っぽくて自分の好みに合っていた。多分、鳥撮りをやっていなければ、もっと長く使っていたと思う。
 絞りや色の調整も最初は色々試したが、最終的に絞りF8固定で、シャッター速度とISOはカメラ任せ、フォーカスは基本マニュアルでと言うスタイルでずっと撮っていた。絞りF8はデジカメにしては絞りすぎてた気がするが、当時はそれが良いと思っていたのだろう。そのお陰で暗い室内は手振れで悩まされた。またバッテリーが乾電池だったのは一長一短があった。
 それでもお寺撮影には合っていたのか、とっても楽しかったのだ。



16. SONY Cyber-shot DSC-S40

・発売年月 2005年4月 ・購入・使用年月 2005年8月-2008年頃



 普段の持ち歩きようにistDsと一緒に購入したカメラ。大きさが 99mmx51.7mmx34.2 mmとミニタンク系で可愛らしく、重さも132gと軽量だった。通勤がてらに街中を写したり、メモ帳代わりに使っていた。



 クリアな写りで気に入っていたが、いつの間にかレンズが出てこなくなり壊れてしまった。どこかで落っことしたのかもしれない。



17. PENTAX K10D

・発売年月 2006年11月 ・購入・使用年月 2007年5月



 istDsの後継機として購入したペンタックスのデジタル一眼。この年の4月、トビの大群に遭遇し野鳥に関心を持ち始めた頃に購入した。 
ヨドバシカメラで吟味していた時、キャノンのEOS30Dとで随分悩んだが、シグマのレンズがそのまま使えることや、当時流行り出した一眼レフのボディ内手振れ補正(当時キャノンにはなかった)に魅かれK10Dを購入した。カメラグランプリ2007も受賞し、当時は名機と謳われていたことも大きい。たが結果、この選択は失敗だった。



 一眼レフの割にまず画質がよろしくなかった。同じレンズを使っているのに、istDsでは感じることがなかった画面のざらつきを感じた。期待した手振れ補正も効果が分かりにくかった。
 この頃から鳥撮りを始めるわけだが、そもそも野鳥撮影に向いたカメラではなかったのだ。AFもあまり早くなかったし、連写も秒3コマと遅かった。この頃でもEOS1D系は8コマ以上あったのだ。そしてレンズも鳥撮りには18-200mmでは全然足らなかった。
 ここからカメラ&レンズ選びの迷走が始まった。


SIGMA 170-500mm 1:5-6.3 APO DG

 まずレンズを買った。安いといわれるが6万円以上したので結構な出費だ。周りのベテラン諸氏は、もっと大きなレンズだったが、300mm~400mmだった。自分のは500mmだ、どうだ凄いだろう。ペンタックスなんて誰も使ってないぞ、これも凄いだろう、と高をくくっていた。
 何も知らないおバカさんだった。



 ホバも撮れないわけではなかったが良くてこんな感じ。中々カワセミに合焦せず、撮影失敗が多かった。



 カメラ選びで迷走するには理由があった。
 自分が撮った野鳥写真と、ベテラン諸氏が撮影した写真を比べると、明らかにクオリティの違いがあったのだ。
 『どうやったらこんなきれいな写真が撮れるのですか?』
と質問すると、決まって返ってくる答えは
 『良いカメラを買ってください。』
だった。
 2000年代初頭、この当時、カワセミ撮影では大砲クラスの大きなレンズやカメラを持った人たちが沢山いた。
 おおむねキャノン派とニコン派に分かれており、キャノンではEOS-1D Mark IIIにレンズはEF400mm F2.8やEF600mm F4L、ニコンでは、カメラはD3に、NIKKOR 400mm f/2.8を持っている人たちが多かった。両方持っている人もいた。そこにやたらと足の太いジッツオのカーボン三脚にビデオ運台やジンバル運台を付けて、巨大な大砲を載せていた。総額で200~300万円はかかる機材だった。
 時々、ファインダーを覗かせてもらったが、まあ何と美しい映像のことか。実際の景色より綺麗なのには笑ってしまった。
 ミノルタ等の他のメーカー品を持っている人は嫌味を言われるかムシされていた。自分はペンタックスだったが、周りの世代より10才、20才ほど若かったので適当にあしらわれていた。
 経済的余裕のない自分にはとても買えない機材だが、元々重い道具は苦手だったので、これら上位機種を目指すことはなかった。だが何とか綺麗なカワセミ写真を撮りたかった。そのためには試行錯誤を行う必要があったのだ。



18. Canon PowerShot A570

・発売年月 2007年3月 ・購入・使用年月 2007年6月




Vixen GEOMA2 ED52-S

ペンタックスは35mm換算で1.53倍になるので、500mmのレンズは35mmフィルム換算で765mmになった。それでも野鳥は随分小さく感じた。
 そこで考えたのは、さらに大きな倍率で撮影できるデジスコに挑戦することだった。その時買ったのがこれ。 この時点で、カメラやレンズの出費が重なっていたので、経済的に無理できなかったため一番安いこのスコープを選んだ。そしてこのデジカメを買って接続した。
この接続方法が大変で、市販のデジスコ用のパーツやらを色々工夫してつないだ。
 ピント調整はスコープ側でマニュアルで行って、シャッターやレリースを押す。



 K10Dも一緒に持っていったため、なるべく軽くしようとして足腰の弱い貧相なシステムになった。 金具とネジでカメラを止めてるだけの、御覧の通り非常に華奢なものだった。



 結果は大きく写せたものの手振れやピンボケが多く観賞できるものは少なかった。
なかなかスコープを使った撮影に馴染めなかったのも大きいが。



 カメラ単体としては、キャノンらしく普通に良く出来たカメラだった。尚、バッテリーは単3電池だった。




19. FUJIFILM Finepix F700

・発売年月 2007年3月 ・購入・使用年月 2007年12月頃



 これもデジスコ用に中古で購入した機種。
 スコープの操作にもだいぶ慣れ、ピント合わせも出来るようになってきた、大分綺麗な画像が撮れるようになってきたが、セッティングの煩わしさは相変わらず面倒だった。



 F700は発売当時、ダイナミックレンジの広さを誇っていたが、中古のせいか使ってみるとそれほどの特徴を感じることもなく、画像も眠い印象だった。
こうして試行錯誤したデジスコだったが、ある時、カワセミを追いかけて移動中に機材が分解・離散してしまった。
 ネジ止めなので、すぐに直せたが、あまりの頼りなさと、操作のわずらわしさに、結局、デジスコをやめることにした。歩いて鳥を追いかけたがる自分には元々向いていなかったように思う。安物買いの銭失いの典型だが、照準器の利用など色々勉強にもなった。



20. Canon EOS20D

・発売年月 2004年9月 ・購入・使用年月 2007年10月



 Canon EF300mm F4L IS USM+1.4Xエクステンダーを同時に購入。全部中古だったが、三脚や運台と合わせると結構な値段になった。



 カメラとレンズに、ペンタックスでは感じなかった剛性感があった。そしてシャッターの小気味よさ、AFの鋭さが心地よかった。連写も5コマ/秒とK10Dの3コマから上がった。ただ旧型機のため画素数は1000万画素から820万画素に減ってしまったが・・・。
 結果、今まで取れなかった鮮明な写真や、ホバリングや飛込み等の『飛びもの』が多少撮れるようになった。
 デジイチの二台目にPentax K10Dではなく『EOS30D』を選んでいたら、遠回りをしなくて済んだのに・・・



21. Canon EOS40D
カメラ部有効画素:約1010万画素 連写:最高約6.5コマ/秒

・発売年月 2007年 8月 ・購入・使用年月 2008年3月頃-2017年11月頃


 EOS30Dの後継機。使わないのでと言う話で、ベテランカメラマンの方から安く譲り受けた新古品。同時期にキャノンのレンズEF400mm F5.6を買った。
 このカメラは10年近く自分の愛機となった。



 性能的には後に発売されたEOS50Dや7Dには及ばないが、パコパコというシャッター音も愛嬌があり、鳥撮りだけでなく、レンズを変えて色々便利に使えた一眼レフだった。撮影枚数が13万枚を超えた頃から、シャッターが降りにくくなりシャッターチャンスを逃すことが多くなった。こうなると使えない。キャノンのサポートに電話したら修理対応期限が過ぎているということだった。残念。


祇園祭花傘巡行


桂離宮



22. Canon EOS50D


・発売年月 2008年9月 ・購入・使用年月 2008年10月

キャノンEOS40Dの後継機。発売時に購入。レンズは前に購入したEF400mm F5.6を使用。



 このカメラは野鳥撮影にしか使わなかったが、EOS50D+EF400mmF5.6の組み合わせが一番お気に入りだった。理由は簡単でカワセミの写真が、留まりものでも飛びものでも綺麗にそして自由に撮影できたからだ。AFは40Dと比べると大分優秀になっていて、シャッター音も40Dと同様パコンパコン系だったが随分軽快になった。
 素人考えで恐縮だが、良い写真を撮る条件としては、良いカメラ、良いレンズ、良い被写体(モデル)、良い撮影環境(撮影場所)のそれぞれがバランス良くそろわないとうまくいかないと思っている。
 このカメラを頻繁に使っていた2008年当時、こうした条件がそろっていたように思う。



 何が良かったかと言って、こんなのや・・・



 こんな写真がたくさん撮れたのだ。

 カメラだけでなく、人を恐れずにホバや飛込みを繰り返してくれたカワセミ君と、鴨川の明るく広いシチュエーションに恵まれていた。
 素人カメラマンにとって思い通りに写真が撮れるということは、何物にも代えがたい快感だった。
 ただ残念なことに2009年の暮れにカバンから落っことして破損、7Dに交代となった。
 が、それから10年ほどたった2020年に中古で50Dを買い直した。50D復活に喜んだが、しばらくして40D同様、シャッターの反応が悪くなった。まだ撮影枚数は5万枚程度でまだいけるはず、今はだましだまし使っている。



23. SONY Cyber-shot DSC-W120

・発売年月 2008年3月 ・購入・使用年月 2009年2月



 ソニーのDSC-S40が故障後、普段の持ち歩き用にはPowershot570ISをしばらく使っていたが、電池も入れると200gを超えるため少し重かった。そこで購入したのがこのカメラ。本体サイズは88.2mmx57.2mmx22.9 mm、重量 123gと薄く軽くなった。
 特に特徴があるカメラではなかったが、サイバーショットらしいクリアな描写は好感が持てた。



 残念なことに数年後、踏みつぶされて破損。



24. Canon PowerShot SX1


・発売年月 2008年12月 ・購入・使用年月 2009年10月

 YouTubeに興味を持ち、動画撮影用に購入したカメラ。カワセミを大写しに出来た時やホバの動画が取れた状況は今でもよく憶えている。



 しばらくの間、一眼レフを家に置いてこのカメラで野鳥撮影を行っていた。
動画撮影には動画ならではの難しさがあった。まずスチルカメラ以上に手振れに注意が必要だった。スチル写真と違い画面がぶれると、気持ち悪くて映像を見ていられない。その為、三脚が必ず必要となった。またカメラを振って被写体をとらえるといことは、手振れと同じ理由で極力しない方が良いことも分かった。
 結局、固定した画角で、被写体が動けば、画面を一旦切ってシーンを変える事が必要なことも分かった。また動画は基本流しっぱなしで撮影するので、人の話し声や騒音等、周囲の不要な音を拾うことにも苦労した。そして後の編集が時間が掛かり大変なことも分かった。


平安女学院大学 有栖館 − 有栖川宮旧邸

 そんなこんなで動画撮影の大変さが身に染みたが、時間はかかるが作業自体は楽しいし、静止画では分からない鳥の動きなど貴重な資料になることも理解できた。
 さてこのカメラについてだが、スチルカメラとしてはごく普通の印象だが、特に逆光気味の時、白トビが起きやすいのが気になった。昔流に言うとラチチュードが狭い印象だった。


東山二年坂





25.Lumix DMC-S1

・発売年月 2011年2月 ・購入・使用年月 2011年12月

 有効画素数 : 1210万画素外形寸法 約幅 98.8×高さ 約58.8×奥行 約20.9mm(突起部を除く) 質量 約100g(本体)、約117g(バッテリー、メモリーカード含む)
 小型の楕円形で、スペック的にはこれと言った特徴がないデジタルカメラ。
 これもスーパーで山積みされており、確か10,000円以下で売っていた。操作が簡単そうで、かつ丈夫そうだったので、家族で使えるように、カラー別々で3台も買ってしまった。


東京スカイツリーからの眺め

 これが実際イメージ通りに扱いやすく、思った以上に画像も鮮明で、お気に入りの持ち歩き用カメラになった。ただしズームを使うと画像が落ちる。なのでほぼ広角側だけを使っている。ボディがツルツルしてすべり易いので、持ち手にコルクシールを貼っている。


柴又駅前の寅さん像

 この手のカメラの利用目的が備忘録的スナップ写真なので、結局、確実に映ってくれればあとは丈夫が一番と言うことになる。バッテリーも大した枚数を写すわけではないので数週間は持つ。なので未だに現役。
ただし黒い1台しか残ってない。他の白、ピンクの2台はどこに行ったんだろう、家族は知らんと言う。現在も行方不明。
 と書いた後に全ての画像の同じ箇所に曇りが出ていることに気が付いた。レンズを掃除してもダメ、カメラ内部の問題らしい。服のポケットに入れっぱなしにしたのがマズかったのか?! 何てことだ。



26. Canon PowerShot SX40 HS


・発売年月 2011年9月 ・購入・使用年月 2012年4月


 動画撮影用に購入したカメラの2代目。動画以外でも結構、綺麗な画質で、拡大してもノイズが少なく絵がつぶれにくい。フルHDの動画も撮影出来て(フレームレートは24fps)、何より他の機種より聴きやすい音質で録音できるので音楽会等の録画にも役に立った。

 動画も距離が近ければカワセミだって綺麗に撮れる。

 ただし静止画撮影時のレスポンスがイマイチなのと電子ファインダーがかなり小さいのが欠点。
 これらが我慢できればスチルカメラとしても十分役に立つ。


北山ハロウィン

 小型(600g)で、840mmの超望遠で、バリアングル液晶付きで、フラッシュも効くので、普通の撮影以外でも、床下や天井など目が届きにくい場所の確認等、意外なところで役に立ってくれるのでいまだに現役。


桂離宮



27. JVCケンウッド GZ-HM670

・発売年月 2010年10月 ・購入・使用年月 2011年12月


 ビデオを撮るならビデオ専用機でしょ、と言うことで買ったビデオカメラ。既に小さなデジカメでそれなりに綺麗な動画が撮れるので特別の感慨もなかったが、8mmカメラやハンディカムと比べると随分小さく軽くなったものだと感心した。
 野鳥撮影用にと考えて、ズーム倍率の高いものをと選んだが、手振れ補正があまり効かず、よほどしっかりした三脚を使わないとダメだった。子供の運動会用にと言いたいところだがすでに成人しているし、将来の孫の発表会にと考えて取ってあるが、その時は別のカメラを使うだろうな。ああもったいない。



28. Canon EOS7D

・発売年月 2009年10月 ・購入・使用年月 2012年8月頃

 APS-Cサイズのフラッグシップ機としてキャノンが発売した一眼レフ。2010年当時、このカメラにEF300mmF4+1.4倍テレコンか、EF400mmF5.6を付けたものが野鳥仲間でかなり流行した。50Dが落下事故で壊れたあとは自分も7Dを購入した。ただその頃、ビデオに傾倒し始めていたこともあり、TUBAKIの愛機となった。



 TUBAKIの愛機と言うこともあるが、実は7Dを使ってちゃんと野鳥撮影をしたことがない。
 良いカメラだと思っているが、発売されて10年以上たつ機種なので、今更どうでも良い問題だが、最近は中古カメラに興味があるので研究する必要はあるかもとも思っている。


 ただ自分的には本体重量が820gと重い機種だ。使用レンズがEF400mmF5.6なので、1250gある。両方であっさり2kgを超えてしまうが、さらに一脚や何やら加わる。撮影以前の問題だが、よくTUBAKIは持って歩いてるなと感心する。聞けばAFが強力で、連写が楽しいそうだ。
 2021年の初めに保守サービスも終了するらしい。これからはカメラ業界のみならず野鳥撮影業界もさらに『軽薄短小』が進んでいくと思っているが、果たして7Dを使い続けるべきか? TUBAKIはその気なので、そのままでいいか・・・。




29. FUJI Finepix HS50EXR

・発売年月 2013年2月 ・購入・使用年月 2014年1月

 24mm~1000mmの手動式ズームが付いた、結構マニアックで評価が分かれる一眼レフっぽいコンデジ。
肝心の画質は、コントラストは秀逸だが解像度はボロボロという不思議なカメラ。サンプル写真のジョウビタキなどとても艶っぽく見えるかもしれないが、等倍に引き伸ばして見た時のノイズ感は半端ない。
 自分のように縮小した画像をネットのホームページで使う分には良いが、大きく印刷するような用途には、画面はざらざらで見られたものではないかと思われる。もちろん動画も撮れるが、音質がイマイチだった。音楽会の動画では、画質は良くても音が悪いと困る。外部マイクを取り付けることもできるが3000円程度の安価なマイクでは大して良い音にはならなかった。結局、動画撮影機としては使わなくなった。



 ただ普通の静止画カメラとしては結構面白い。コンデジにしてはAFも早く、動作は軽快。サクサクと撮影できるので、望遠と広角を同時に使いたいときにはいまだに使用している。ただ鳥撮りのように超望遠に関しては、一眼レフに比べるとブレやピンボケが発生しやすいので、大事な撮影の時には使いにくいかもしれない。先に書いたように解像度が悪すぎる。ジョウビタキのように数メートルまで接近できる鳥は、被写体を大きく写すことでディティールを押さえられるが、カワセミのように2,30メートル離れたものを撮影して画面を拡大すると粗い画像に大抵ガッカリしてしまう。



 長いことほっておいたら、ボディがネバネバになった。消毒用エタノールでゴシゴシふき取って、シリコンスプレーで仕上げるとキレイになったが、保管には注意が必要。もっとも今更買う人はいないか。
 808gとコンデジにしては結構重いが、筐体が大きくてプラスチックっぽいので軽く感じる。広角から超望遠まで行けるので何かと便利。色々遊べるので撮ってて楽しいカメラ。一応現役。



30. FUJI Finepix S1

・発売年月 2014年2月 ・購入・使用年月 2015年4月

 HS50EXRが気に入ったので、TUBAKI用のコンデジとして買ったカメラ。だが一眼と比べるとレスポンスが悪いので使ってもらえなくなった。そうこうするうち電源を入れるとズームが伸びきってエラーになるという故障が発生。保証があるうちに直さないとと思いつつ時間は過ぎ、保証期間が終了してレンズが伸びきったままの醜態をさらしたままお蔵入り。新品で買っても壊れる時は壊れる悲しい現実。



 画質はHS50EXRと違い、ノイズ感が少なく普通にきれいだった。発売時期が1年しか違わないのにこの差は何だと驚く。そうこうするうち、2013年フジがこの手のコンデジを販売しなくなってしまった。何としたことだ。
 フィルム事業から上手く業態転換を図ったフジフイルムだが、ユーザーは置いてけぼりか・・・。






31. SONY Cyber-shot DSC-WX300

・発売年月 2013年3月 ・購入・使用年月 2016年6月 中古で購入

画素数:2110万画素(総画素)/1820万画素(有効画素) 光学ズーム:20倍 撮影枚数:500枚。 内部で色々処理するらしく動作が少しもっさりしているが、写りが良く、動画も良く撮れて平均点以上の良いカメラ。



 9,800円で中古で買ったが、問題なく動作して、バッテリーが長持ちでカバンに入れっぱなしにするにはもってこいのカメラだった。



 ただ2,3回地面に落っことしてから、だんだん調子が悪くなってしまった。端子カバーが無くなったり、ズームして望遠端にした後、広角側に戻すとエラーになるようになった。こうなるとかなり使いにくい。まだ引退ではないが自宅待機が増えてしまった。



32. NIKON COOLPIX S7000


・発売年月 2015年2月 ・購入・使用年月 2016年10月頃

 TUBAKIの携帯用に買ったコンデジ。スチル撮影はそれなりに綺麗だが、新品で買った最新鋭の機種のはずが、画質を比べると中古で買ったDSC-WX300やPowerShot SX280HSに負けている印象がある。動画も手振れやピントが遅い等イマイチ。おまけにどこか壊れているようで本体にあるバッテリーの充電ランプが付きっぱなしで妙に気になる。ただ動作は結構早い。これは良い点。



 ニコンで初めて買ったカメラだが、キャノンやソニーなどと比べると我が家的に人気がない。でも悪いわけではないので交代要員として待機中。



 以前、紅葉撮影に出かけた時、持って行った一眼レフのバッテリーが切れて使えず、このカメラでその日を乗り切ったということがある。その気になれば十分役に立つカメラのような気がする。




33. SONY Cyber-shot DSC-W350



・発売年月 2010年2月 ・購入・使用年月 2017年4月


 カールツアイスレンズを搭載した軽量・小型コンデジ。奇しくもパナのLumix DMC-S1と同じ重さ。画質的にはどっちもどっちだが、こっちの方が少しつややかな印象。ただあんまり丈夫そうでないのと、バッテリーがWX300より持たないのであまり活躍していない。鳥撮りの時は、丈夫そうなパナのS1方を持って行ってしまう。観光見物や散策ならこっちの方がカッコいい良いかも。



 ただ内部電池がいかれたようで、バッテリーを交換するたびに日付設定をやり直さないといけない。EOS40Dのようにコイン電池で交換できるようになってれば良いが、こんな小さなカメラでは無理でメーカー依頼しないといけないらしい。いくらかかるんだろうか?






34. Canon IXY 410F

・発売年月 2011年2月 ・購入・使用年月 2017年11月


製品レビューの評価が高く、3,850円という安さにつられて中古で買ったカメラ。『前面レンズ周りに傷があります』と製品紹介にあったがレンズ自体に傷があるようで、望遠にすると丸い模様が映り込むことに後で気が付いた。一応動くが棚の肥やし。安すぎる中古品には注意が必要です。











35.Canon Power Shot SX280HS

・発売年月  2013年4月 ・購入・使用年月 2017年11月


 動画撮影すると電源エラーになるという機種自体に大問題があるが、携帯用コンデジの中では我が家のエース。スチル写真は落ち着いてしっかりした描写で、1眼レフと同じようにモードダイヤルでAv、Tv、Mなどが選べ、露出補正も裏面ダイヤルで出来る優れもの。『大幅に進化した動画機能』が売りの機種だが、動画撮影をしなければ何の問題もない。リコールで新品のバッテリーももらえたが、やっぱり動画はエラーになる。233gと携帯するには少し重いのが欠点。












36.Panasonic GH1

・発売年月 2009年6月 ・購入・使用年月 2018年2月

 パナソニックが販売したマイクロフォーサーズ一眼レフ。
フォーサーズには以前から興味があったので、ネットでこのカメラが本体のみ7,800円で販売されていたのを知って購入した。
これにG VARIO 14-42mm F3.5-5.6とG VARIO 45-200mm F4.0-5.6の中古レンズを注文した。



 画質は想像していた以上に繊細で上品な写りだった。秒3コマと連写は効かないが「シャカキーン」と優雅な響きのシャッター音と、結構しっかりしたボディで上質感があった。元は14-140mmのレンズキットで15万円ぐらいで販売されていたそうだ。流石にLumixの最上位シリーズだなと感心した。



 重さもレンズとセットで650gと軽く、Kissより一回り小さく、小さなカバンにも収まってくれるので、普段のスナップ撮影には持ってこいだった。
 EosKissも買ったが、ついこちらを持ち出すことが多くなった。すっかりマイクロフォーサーズが気に入ってしまった。





37. EOS Kiss X4



・発売年月 2010年2月 ・購入・使用年月 2018年3月

 キャノン用のレンズは色々あるのに、カメラ本体がEOS7D以外すべて故障したため、中古で購入したカメラ。3コマ/秒と連写は効かないが、しっかりした作りで安心感がある。優秀な控え選手と言った印象で、あまり出番がないが使ってみると結構手堅い仕事をする。


 今はEFS18-55mmをつけっぱなしにしている。EF50mmとかを付けてスナップ写真専用に使えば面白そうだと以前から思っているが、まだやっていない。何故って大事な控え選手だから、万一の時に備えないと・・・。




 Kissっていう名前だから画質も柔らかいのかなと思っていたが、むしろコントラスト強めで硬めの印象。各種設定の調整をはじめ、もう少し使ってみないといけません。




38. Panasonic DMC-G5 &
  G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6 /MEGA O.I.S. H-FS100300


・発売年月 2012年9月 ・購入・使用年月 2020年12月


 EOSシリーズの重さが辛くなって、鳥撮りのニューフェイスとして新たに登場した中古の新人。重さはレンズとセットで960g程度と1kgを切る。持ち歩くのも、手持ちで小鳥を撮影するのもずいぶんと楽。手振れ補正も効くが、効き始めるまで少し間があるように感じる。
 肝心の画質は、止まりものなら十分綺麗で合格だと思う。赤みが強い気がするが多分調整の範囲。 但し、野鳥撮影ではフォーカスエリヤやフォーカス優先設定等細かい設定をちゃんとやらないと、上手く写せなかった。
 小型のため、裏面のダイヤルやボタン操作がとっさの時によく押し間違える。露出補正とISO設定は頻繁に変えたいところだが、撮影中はあまり触らない方が良いのかもしれない。


G5+H-FS100300 100-300mm/F4.0-5.6


G5+H-FS100300 100-300mm/F4.0-5.6

 飛込み等動きの速いものは、手持ちでも撮れなくはないが結構難しい。ピントが合いずらい。 それと実像と電子ファインダーでは、わずかに遅れがあって、シャッターを押すタイミングが分からなくなってくる。ファインダー映像自体は綺麗。


G5+H-FS100300 100-300mm/F4.0-5.6

 飛びものを狙うなら、EOSでやるべしと考え、後日、50Dで同じカワセミを撮影したが大した写真が撮れなかった。単に腕が落ちただけかもしれない。
 ただ撮影していて気持ちが良かったのはEOSの方だった。フォーカスが多少早いのと、連写の連続撮影コマ数が多いのが大きい。EOSはあまり気にせずシャッターを押し続けられるが(約90枚)、Lumix G5は6コマで一旦切れる。いずれにせよ、もう少し研究が必要。
 

 幸い同じ時間、同じ場所、同じカワセミをTUBAKIと撮影していたので、LUMIX G5とEOS7Dの画質の比較が出来た。


LUMIX G5+H-FS100300 100-300mm/F4.0-5.6 ISO400, SV 1/2000, Av5.6 露出補正-1/3


EOS7D+EF400mm/F5.6 ISO400, SV 1/2500, Av5.6 露出補正-1/3

背中の毛並みなどはLumix-G5の方が繊細で良いように思える。


LUMIX G5 100%等倍(35mm換算で600mm。有効画素数1605万画素)


EOS7D 100%等倍(35mm換算で640mm。有効画素数1800万画素)

 焦点距離と画素数の関係で、画像の大きさはEOS7Dの方が大きい。画質はG5の方が繊細に感じるが、EOS7Dのレンズ、EF400mmF5.6は手振れ補正がないので、その影響もあるかもしれない。


EOS50D+EF400mmF5.6 (2010年撮影)

 上はデファクトスタンダードにしたい画像。10年前の古い写真だが、背中の毛並みや目とクチバシの艶っぽさが気に入っている。こんな感じで写れば十分だと思っているが、人を怖がらないカワセミで近くまで接近出来て、鴨川全体がまんべんなく明るかったから撮影できた写真。カメラだけの問題ではないのが難しいところ。



39. OLYMPUS OM-D E-M5



・発売年月 2012年3月 ・購入・使用年月 2021年5月

 NHKの番組『ブラタモリ』でタモリさんが首からぶら下げていたのがオリンパスのカメラで、前からずっと気になっていた。それにオリンパスの会社自体が色々ゴタゴタがあって、カメラ部門を売却するという話が出ていた。マイクロフォーサーズ系のカメラだからレンズはパナのが使えるので、万一消滅してしまう前に一台買っておこうと考えて中古で買ったのがこのカメラ。


(パワーバッテリーホルダー HLD-6を付けた場合)

 写真で見るとキャノンのEOS1DXように仰々しいが、二回りほど小さい。重さはレンズ(H-FS100300)と合わせて1210g。ちょっと重いが、バランスが良いので持ちやすい。


OM-D E-M5+H-FS100300 100-300mm/F4.0-5.6

 今までオリンパスと言えば双眼鏡しか使ったことがなかったが、想像した以上にカメラらしいカメラで驚いた。結論を先に言うととても良いカメラ。『サクッ、サクッ』とクッキーを噛むような低い音で心地よくシャッターが切れる。
 連写は強力でメカニカルシャッターで9コマ/秒とかなり早い(AF-Sモード)。最大撮影コマ数約19コマ(連写H・9fps時)と普通は十分。
 但しグリップが薄いので持ちにくい。追加でパワーバッテリーホルダー OM-D用 HLD-6を付けている。見た目もカッコいいし圧倒的に持ちやすくなった。ただ一部ボタンに指が届きにくくなってしまった。痛し痒しだ。
 フォーカススピードは悪くはないが、Lumix G5よりは遅く感じることがある。感覚の問題かもしれないが・・・
 ファインダーの見え方の遅れは、G5よりずっと少なく、あまり気にならなくなった。総じて良い印象で、撮影が楽しい。
 内臓式手振れ補正が強力で、シャッター半押しで効果を確認できるのがありがたい。高感度(ISO4000~25600)で撮影できるだけに、シャッター速度が最高1/4000はちょっと残念。うっかりすると白トビしてしまう。
 最近、EOSの調子が悪いので、鳥撮りはこちらをメインで使っている。




カワセミの飛込みもカメラを振り回しすぎないようにすれば、それなりに撮れる。







40. PENTAX K-5 &
  smc PENTAX-DA18-135mmF3.5-5.6EDAL [IF] DC WR




・発売年月 2010年2月 ・購入・使用年月 2021年10月

 紅葉の季節が近づいてきたので、マイクロフォーサーズ用の高倍率ズームレンズが欲しくなったが、マイクロフォーサーズのレンズは中古でも程度の良さそうなのは3~5万円する。キャノン用は18-200mmレンズをシグマとタムロンの2本を持っているがカメラと合わせると重さが2kg前後になるので散策には使いたくなかった。そんな時、昔のペンタックス用のレンズが使えるのではと思い至って買ったのがこのカメラ。10年以上前の発売だが、以前使っていたistDsや10dと比べれば新しい。キットレンズの18-135mmも安くて評判が良かったので合わせて買った。表記のレンズを含めた重さは合計で1210gと少し重め。
 連写は秒間7コマと結構早い。シャッター音は『スタン、スタン』とスネアドラムをたたくような威勢の良い音。心地いいが少し音が大きい。最大撮影コマ数は、一度で2,30コマはいけそうだが、つい調子に乗って連続撮影すると急に書き込みできなくなる事があるので注意が必要。
 手振れ補正は、オリンパスより効きが甘く、ライブビューで背面の液晶モニターでしか確認できない。普通の一眼レフなので当然か。
 野鳥撮影にも十分使えると思うが、ペンタックス用の超望遠レンズは古いシグマのレンズしか持っていないので、当面は散策時のスナップ撮影に使用する予定。
 まだ使って日が浅いので使いこなせていないが、散策用と考えれば、つい撮影したくなるとても楽しいカメラだと思う。










41. OM-D E-M1 & M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II



・発売年月 2013年10月 ・購入・使用年月 2023年1月

 OMD E-M5が使ってみて良いカメラだったので、当時のフラックシップ機、OM-D E-M1が気になっていた。程度の良さそうな中古を買ってみた。 E-M5と違いしっかりとしたグリップが付いている。持った感触はとても良い。連写も早く、シャッター音が心地よい。
 でも肝心の画像が今一つに思えた。設定をいじって少しづつ良くなってきたように思う。が、椿の愛機となってしまったため、その後の状態が不明。写真は2023年現在、ブログで使っているのでまあこんなもんなんだろう。そのうち改めて調整したいと思っている。










終わりに、  デジカメの未来は・・・

 これからカメラはどうなっていくのだろう。
 この半世紀でカメラメーカーの勢力図が大きく変わった。ブランドとして名前は残っても、今後も中身はどんどん変わっていくだろう。
 デジカメが売れなくなったといわれて久しいが、スマートフォン内臓カメラの機能はどんどん上がっている。メーカーは需要のある方へ注力するので、今後ますます、一眼レフカメラの販売数が減って、スマホの機能が上がっていく可能性は高い。
 とは言え街中を眺めると、中型クラスのカメラを携えた若い女の子をよく見かけるようになった。スマホで撮りにくいインスタ映えする写真を一眼レフで撮影する人が増えているそうだ。ニーズは何処に転がっているかわからない。

 道具は技術の進歩を反映する。光の粒子はとても小さいので、それを感知するセンサーの感度が上がり、サイズを小さくできれば、AI技術の発達にともなって、人が見て自然に見えるような背景のぼかしや、コントラストの制御など、画像の制御が自在にできるようになるはずだ。(今でも既にやってるか・・・)
 何年か先には、50m離れたところからスマホのカメラで高画質のカワセミ画像を撮影するようになるのではと思っている。
 自分が後期高齢者になる頃には、
「昔はカワセミのホバを撮るのが大変じゃたったのう・・・」
とか、うわの空で聞いている孫に語り掛けているのだろうか。

 願い下げである。

(哲)

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